マイクロ波帯におけるアマチュア無線振興に就いての一考察
                                          JA1EPK 大日方 悟郎

 日頃マイクロ波の製作実験をしている者として考えている事の一端を延べて上記のお役にたてば幸いです。
        1 データーの収集について
 アマチュア無線業務とくにマイクロ波においては実験の基礎になる各種の資料の収集、活用が必要になって来ます、この資料としては専門書、解説書、データーブック、等の刊行物、CQ誌、モービルハム等の国内において発行される技術雑誌、Q S T,R adio Com.CQDL,等の諸外国のアマチュア無線団体の機関誌や、更に熊本工作研究会会報、酉新潟クラブ報、ドイツのDU B S,VHF COMMUNICATIONS,等の小グループの刊行物等を、国の内外、大小を問わず関係書籍の収集、分類、展示をし、会員、非会員を問わず求めに応じて閲覧、コピー等が出来る様にする事が必要です。

 また此等の全てをデーターベース化して、B B S、パケットによってアクセスする事が出来る様にする事が望ましいが、始めの段階として此等の総目次をフロッピー化して頒布出来る様にする。この例としてアメリカの didah publishing社からQ S TをはじめとしてCQ,73,H.R.,等のI ND E Xがディスクで発売され、イギリスではMicrowaveBibliographyが G OC Z E等のボランティアによって製作頒布されています。
 これに依って手元のパソコン等で必要なデーターの所在が分かれば後はコピー等で人手出来る様にする事が出来ます。
 さらにARRL,ではQ S T誌上に発表された、記事中のパターン図やシュミレーションリスト等もB B Sでダウンロード出来る他インターネットを通じてアクセス出来る様になっています。
 このB B Sの設置はJARLでも早急に実行して頂きたいものの一つで、アクセスポイントを各支部に置いて地方からのアクセスを容易にする事も必要と思います、現在会員にしかアクセスされていないPCVANやNIFTYにあるHAMRADIOのS.I.G.等もJAR LのBBSに吸収する事が出来ればより多くのアマチュアに活用されると考えます。只バケットに就いては責任、監修の点で考える必要があります。
 また局名録のCDROM化も是非実行して頂きたいものの一つです。

      2 技術指導について
 マイクロウエーブ帯の実験には技術の進歩と共に一般のアマチュアには手の出ない様な高価な測定器の必要が益々増えています。現在JAR Lの技術研究室に此等の機器が備えられていますが、本来測定器は出釆上がった物を測定する事よりも、被測定物を測定しながらカットアンドトライして作り上げて行く事が重要であると思います、これには機器の整備だけではなく指導する技術を侍った人が必要です。こうした部門を各支部に設置して地方の人の要望に答える事に依って地方のマイクロウエープを育てる事が出来ます。
 以上思い付くままに書き出してみました、これの実行には金の問題と人の問題が大きなウエイトを持っていますが、金のことは別に考えるとして、人はボランティアをつのる事に依って解決するのも一つかと思います、現在リタイアしている方で技術を持っておられる方も多いかと思いますが、それらの方々の協力を呼びかけることが必要です。Q S Tには毎号このボランティアに対しての呼び掛けがのっています。
                                                     以上