各局
IC−1271を修理していて見つけたことがありますのでご報告させて頂きます。
もし既にご存知の内容でしたらご容赦下さい。
IC−1271でよくある不具合としてSメータの振り切れという症状があります。
これについては既にOM諸氏が解明されていて、内部のマイナス電源発生回路の
不具合が原因で、この部分を修理することにより解決することが出来ます。
これに関連して、今回オークションで購入した同様の不具合品を直していたところ、
以下の部分がおかしいことに気付きました。
マイナス電源発生回路は「DC−DC UNIT」基板にあり、
IC3( DP−2と捺印した缶に入ったモジュール )が主要部品となっています。
基板上ではこのモジュールの入出力に16V100uFの電解コンデンサが付いているのですが、
出力側のもの(C16)の極性が逆向きになっているようです。
サービスマニュアルを見たところ、回路図は正しい極性になっているのですが、
プリント基板上のシルク印刷が違うようで、現物基板を2台見ましたが2台とも同じでした。
1台だけですが、取り外したコンデンサを手元の簡易容量計で見たところ、
規格の100uFに対し入力側のC17が80uF、出力側のC16が25uFとなっていて
はっきりとした差が出ていました。
スイッチング電源ではコンデンサの劣化でスパイクノイズが増えると半導体などが
故障し易くなることが多いようで、この辺も原因の一つになっているのではないかと
思います。
なお、念のためIC−271の資料も見てみたのですが、
この部分の基板はIC−1271とは異なっていて、同様のことは無さそうです。
今回の修理品はDP−2内のトランスが断線していたため、
最終的にはたまたま手元にあった「MC34063」というICでマイナス電源発生回路を
作り直してしまいました。
まだ数日しか使っていませんが、今のところ順調そうに動いています。
IC−1271は蛍光管表示で見やすく気に入っています。
これでしばらくは使えそうです。
<写真、資料>
・IC1271_DC-DC_UNIT.JPG
1台目のDC-DC UNIT 見にくいですがC16/C17が見えます。
・IC1271_DC-DC_PCB_Pattern.JPG
同基板 C16/C17を外したところ。シルクがよく見えます。
(これは都合で2台目の写真です)
・サービスマニュアルは、検索で
「 IC-1271 サービスマニュアル 」で探しました。
・DC−DC UNIT 回路図 : 7−6 ページ
・DC−DC UNIT 基板図 : 8−6 ページ
に載っています。
JH1ASW 守重 |
IC1271_DC-DC_PCB_Pattern |
IC1271_DC-DC_UNIT |
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