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電波をきれいに!トランスバーター親機の性能と対策 JA1WQF 笠井三男 Oct/11/2011
 
 電波をきれいに!トランスバーター親機の性能と対策
                         2011年10月10日 JA1WQF 笠井三男

 昨今私達が使用するマイクロ波に関してデバイスや技術の進歩と共に、
アマチュアでも各局の
努力により周波数安定度や電波自体の「品質」純度を格段に
高く出来る様になって来ました。
また、それらは求められている基準に対しても重要な事で、私自体悩んでおりました。

私達が必要とする周波数にコンバートするTRVに関してPLL化する前からスプリアス等に関して
様々な問題があり、周波数安定度やスプリアス低減方法の一つでPLLの使用が一般的になり
ここでまた近隣のノイズ問題対策などの解消を求め「少しでもクリアーな信号を」と言う考えは
共通のものです。
しかし、いくら高性能の局発やミクサーを持つTRVでも「もとがだめなら」あまり意味がありません。
ここで大もとの1200MHzトランシーバーに関し、どの程度か?測定をしその内容を確認する
とともに、対策としBPF付加でまずまずの結果が出ましたので報告させて頂きます。


◎日本ではIF(親機)に1200Mhz台の使用が多く、手持ちの数機種を測定致しました。
 スペクトラムは1枚目のLO.以外1270.00MHzをスパン300MHzで表示しています。
 
 1)始めに今回使用のPLL局発です       2)IC1271当時画期的な機械でしたね

           
 ご存知Solilockリファレンス100MHzのものです。  1271無調整で見ています。経年変化で本来の
 さすが綺麗ですね・・・・これに変なの混ぜては   性能では無いかも知れません。
 いけませんョ、朱に交わればグチャグチャ!     しかし、内部の本格的調整を行わない場合この
 (4GHz台Lo、出力にBPF付加しています)    状態であると推測されます。-55dbくらいです。

 
3)小型化された第二段IC1275です              BPF挿入

           
久しぶりの登場で再調整を少し行いました。     自作のBPFを付加しました、これならば使えそう。
あたりの景色が1271と若干違います。       10MHz離れると-70db以下になりOKでしょう。
 中を開け「ざっと」調整、今時の機械と        もしかすると下の910より良いかも知れません。
比べ全然違いますね。古っ!と言う感じ。

 
 4)かなり後にでてきたIC910です               BPF挿入
           
 
スプリアスの出方が違いますね、近辺に何か      上と同じBPFをいれたスペクトラム。
「まどろんで」います、大いに気になります。       かなり綺麗になりましたが・・・・・・・・・
もっこりは、何とかしなければ!              近隣のノイズがLO.に比べ気になると言えば。

 
5)前2台と違い、現行機種TS2000です             BPF挿入
            
IC910と比較し、「もっこり」は狭くかつ低い事が    ご覧の様にゴミはBPFによって綺麗に、また
見てとれます、しかし周辺にゴミたくさん。       「もっこり」が910に比べ低い為、BPFにより綺麗
でもこれは取りやすいです。               になりました、これならばSolilock君と似合かも?

 
6)最新機種ミスターX
 1200MHz帯オールモードの最新機種ですので今回載せる事は控えます。改善を強く望みます。
  
7)まとめ
*測定周波数はすべて1270.00MHzです、理由は今回5GHzのTRV IFの関係で勝手にHi
 
 このように私達が使用している1200MHz帯の「親機」は周波数帯域幅を40MHzと広く、均一に
綺麗な電波を出す事が困難?でメーカー側も「妥協した」と思わせる内容でした。
 
 私達がこれに対応するには使用周波数に限定したBPF(単一周波数のフィルター)が送受ともに
有効であり、必要かと思います。
 
 今回使用した自作BPFは中型で送信用でしたが、3素子の単純なものです。
(ハイパワー送信用に製作、ロス1db未満でしたが、あっちっちで使用断念した物)
 
受信に関しましてはTRVの性能や、1200MHZ帯のLNAなどが、多くを支配する事と思います。
しかし、これがまた1200MHz固体に癖があり比較検証はいずれまた。
 
きれいなローカルオシレーターには綺麗な信号を入れてあげましょう。
                                            JA1WQF  笠井