ワイアレスTV          JA1DGF 

FET全盛の現在、今では忘れられているトランジスターを使用して

マイクロ波入門用のワイアレスTV、原型は海の向こうのF4DAY OMTWIST OSCを参考にJAのパーツで製作しました。

使用トランジスターは2SC2369・2SC3358・2SC2869等一昔前に流行ったモノです。

 

写真1-1  1石ワイアレスTV

 

         写真1-2   TR/MMICアンプ付き

 

 

電源は+7.2Vでトランジスター1石使用のモノと、後ろにTR/MMICでAmpしたモノと3機種です。

原型は2300MHz帯ですが今回は1280MHzで作りました。発振回路はピアース回路でタンクコイルは平行ビニール線です。ニッパーで切り詰めていくと上手く作れば2400MHzまでQSY UPが可能です。

回路図を1図に示します。パタン及び部品配置図は2図に示します。

パタンは添付のファイルを一度コピーしてからPCBEの作画画面から開きます。原紙を作る時は、レイヤー2のチェックを外し、反転・版下印刷して下さい。パタンは0.5mmガラエポ基板使用のモノです

 

              第1    回路図

BSCHPCBEにて検索すると詳細に説明されています。

BSCH ・ PCBEは無料ソフトです。BSCH及びPCBEからそれぞれ簡単にダウンロード出来ます。BSCHに付いてはライブラリーの登録が必要で、ヘルプに従って操作して下さい。

           第2-1図  基板

           第2-2図 配置図

機種は写真13種類です。1石のモノはAmpの部分はカットして使い、タンクコイルがアンテナになります。

この後にAmpを付けたモノはMMICの種類にもよりますが、20mW以上の出力があり、チョツトしたお遊びには充分です。

製作はいたって簡単で基板さえ出来上がれば、ものの1時間とは掛からず完成します。

このVCOは3図の様な特性でチューニング電圧が高くなると周波数が低くなり、電圧が低くなると周波数が高くなります。極性がマイナス特性です。

      第3図  1200MHz/2400MHzチューニング特性

従って変調の方も極性がマイナスです。BSチューナーではFBに復調出来ずビデオAmpの方で極性を反転する必要があります。

今回は簡単にTVを楽しむのが目的なのですが極性の点では表題に反しますがこの際目をツブル事としました。写真2は発振波形です。

 

               写真2   発振波形

調整は簡単でVR2はチーニング電圧2.5Vにセットし、最初に長めの平行ビニール線(5cm)を取りつけカウンターを見ながらニッパーで1mm位づつ切り詰めて行きます。約40mm位の所で1280MHzになります。

電圧は目的の周波数に同調すれば何ボルトでも良いのですが、此れは将来PLLで周波数をロックする為の作業です。

次はビデオの変調です、簡単なモノですが一応CCIR−525のネットワークを通して1Vp−pの信号を入力します。受信機は1280MHz映像極性切り替えをマイナスにセット、信号をモニターし写真4の復調波形が

1Vp−pになるようVR1を調整します。

 

            写真4  復調波形

変調が浅い時は発振回路のトランジスターのベース回路の抵抗を小さくします。写真4が復調画面です。1石のFM−TVとしてはマズマズです。

              写真4  復調画面

次はMMICでAmpしたものです、最初は2SC3358のAmpを付けましたが力不足で、ERA−2又はERA−3クラスのMMICが欲しいところですが、手元にはGALI−24とMAR−6しか無く、とり合えずMAR−6を使用するも2SC3358のAmpよりいくらかマシ程度で余り変化アリマセンでした。

そこで今度はGALI−24を使用すべく基板を作り変えたところ50mW出てきました。周波数の安定度は電源をON後、1時間で1MHz程度低い方に移動し以後多少の変動がありますがほぼ安定します。

夜電源OFFし翌日電源ONしても受信機・送信機調整する事無く、安定した画像が受信できています。

この基板でタンクコイルを切り詰めて行った所2200MHzまでOKでそれ以上ではNGでした。原型は2300MHzです。どこが違うか検証した結果原型は空中配線との事です。基板では浮遊容量が大きくなり周波数が伸びない様で、此れは構造の問題の様です。

写真5 は2500MHz発振TRの空中配線の様子でTWIST17mmです。

       写真5  2400MHz発振TR周辺の様子

コレクター・ベースを基板のパタンを使用せずに空中配線する事により2500MHz発振に成功しました。此処までが第1ステージです。

2ステージはVCOをMC12179Dを使用してPLLで安定化する予定です。極性がマイナスの為一考を要しますが、ビデオの極性と同時に何とかしたいと思います。

AF Ampを作る様な感覚で簡単に1000MHzから2000MHz帯のVCOが出来ますので、気分転換の為にチョツト横道で暇つぶしの、みちくさをするのもFBかと思います。

最後にこの実験際しJA7AVQ田村OMに翻訳及びパーツの手配その他大変お世話になり有り難う御座いました。 以上    

 

参考文献        

 F4DAY

 Megahertz Januay 2001

 A.Simple 2.3GHz transmitter:the "twist" oscillator