増田です、
ミリ波の基準発振器にに使うGPS受信機の改造を行ないました。
一般的なGPS受信機は10MHz出力になっていますが、
ミリ波帯での基準発振器として使用した場合には位相雑音の劣化が気になります。
位相雑音の改善には
100MHz等の高い周波数でのOCXOをPLLロックして使うことが
多いと思います。
この方法でも、PLL回路で発生する雑音が加算されるので、
OCXOの位相雑音特性を劣化させてしまう問題がありました。
この解決策として、PLLを使わずに100MHzのOCXOを
直接GPSでロックさせる方法を考えました。
100MHzOCXOの出力を分周器で1/10の10MHzに変換して、
10MHzのOCXO信号として入力することで、
GPS受信機で100MHzのOCXOを直接ロックすることが出来ます。
最近のGPS受信機は低価格の物でも精度は十分な様ですので、
100MHzのOCXOに
周波数安定度と位相雑音特性の良い物を選定すると
高性能の基準発振器とすることができます。
さらに高い周波数でも安定度の良いOCXOがあれば
この方法でC/Nの改善が可能となります。
10MHzのOCXOを取り除き、
空きスペースに100MHzのOCXOと1/10分周器基板を実装しました、
この基準発振器はTRV内に組み込んで使う予定です。
今回使用した100MHzOCXOは比較的低価格の物ですが、
100Hz離れのC/Nが-135dBcと良好なものです。
de JA8CMY 増田幸雄 札幌市厚別区
|