| 増田です、 
 昨年の全国マイクロミーティングで紹介しました、
 高次分周逓倍でのSSB通信実験ですが、その後いろいろと改修変更を行い、
 SSBの音声がかなり良く判別できるようになりました。
 分周後の帯域制限を行うと歪みが大きくなる問題があり、
 最終的にFM音声と共通化し30KHz幅に変更しました。
 
 歪みを改善する目的で83GHz増幅器への振幅変調を付加しましたが、
 変調の直線性が悪いせいか、
 逆にひずみが大きくなり、なにもしないほうが了解度が良いことが判りました。
 
 ほぼ完成しましたので、以前制作したTRVとフイード対向での実験を行いました。
 83GHzのDRV POWERが大きくなり、ショットキーDiでの逓倍でも、
 332GHz以上の周波数ではショットキーDi逓倍のほうが良く、逓倍/MIXの構造上から、
 奇数逓倍のほうが良い様です
 以前のTRV対向の場合830GHz信号はフイードを密着させてようやっとビートが
 判別できるレベルでしたが、
 今回は17cm程度離れてもかすかに確認できました。
 
 基準発振器を40MHzのOCXOに変更してC/Nはかなり改善し、
 54逓倍となる747GHzでもSSB通信が可能なほど良好です。
 
 今回の結果から、増幅器が使えない周波数帯ではMIX方式で課題となる変換損失が
 無いので分周逓倍方式のほうがかなり有利であると思います。
 分周数が少ないほうがひずみは少ないようですが、
 その差はあまり大きくありませんでした。
 少し容量が大きいですが、
 249GHz(1/18)と747GHz(1/54)でのSSB音声ファイルを添付しました。
 
 
  de JA8CMY 増田 幸雄 札幌市厚別区  | 
            
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              | 追伸                                 de JA8CMY Jan/26/2018 | 
            
              | SSBの分周逓倍は予想より歪みが少ない結果でした。 歪みは、あまり分周数に関係なく、
 高次になるほどS/Nが劣化するのは理論に合っているようです。
 SSBの場合後段での振幅変調は無しのほうが良いです、
 747GHzの場合は1/54分周でしたので、1/24分周では全く問題無いと思います。
 スペクトラムが広がり電力が分散してしまいますので、
 狭帯域のBPFを通すと良いと思います。
 
 その後AM変調波でも再度確認しましたら、深い振幅変調を付加すれば何とか音になりました、
 AMは帯域が広い分S/Nが悪く、キャリアに電力が取られるので、実用的ではないです。
 
 ISDB-Tは帯域が広いのでミリ波ではS/Nの確保が課題でしようね、
 出力を上げようとするとIMが発生するので、かなり厳しいですね。
 77GHzで100mW出力のアンプを使っても実用には10mW程度でしようか、
 ミリ波帯のアンプは直線性が悪いので、さらに低いかもしれませんね。
 
 de JA8CMY 増田 幸雄 札幌市厚別区
 
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