5.7GHz EME用100W SSPA JA8CMY 増田
最近注目されているGaN HEMTを使ったパワーアンプを作りました。
当初は国産の内部整合型GaAsFETを使う計画で、
代理店数社をあたりましたが、見積もり回答が来ないため海外デバイスを使いました。
4GHz帯までの45W出力デバイス、CGH40045Fの2合成で110W出力が得られました。
内部整合型ではないので、Sパラメータから整合回路を設計し、
細かいトリミングを行って出力が出るようになりました。
Sパラメータの値と、出力最大の整合点には違いがあるので、調整に手間がかかります。
全体をくみ上げて調整したのですが50W以上は出ず
各段ごとに別な実験基板に作り最良調整点を見つけ最後に組み込みました、
データシート記載のドレン電圧28Vでは80W程度まででしたが、
35Vまで上げて110W以上になりました。
最大定格から見て42V程度まではOKですが、デバイスが小さく、Tjをオーバーしそうです。
GaN HEMTは内部整合型でなければ価格が安く、電圧も高く効率が良いです。
初段には手持ちのGaAs 6472-4D、DRV段にはGaNのCGH55030Fを使いました。
DRV段には最初CGH40010G(10W出力)を使いましたが、
終段の利得が低いので30Wクラスに変更しました。
110W出力時の総合効率は34.5%と良い値です、
初段もGaNを使うともう少しよくなりそうです。
増田 幸雄
札幌市厚別区
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