24GHz 導波管入力方式LNA試作 JA8CMY 増田
24GHz EME局ではドイツのKUNHE製LNAを使う局が多いので 何とか同等性能のものを作れないか考えておりまして、 今回ノイズコム社のノイズソースNC346KA(10MHz〜40GHz)を入手出来たので 24GHz EME用のLNAを製作してみました。 使用したデバイスはルネサス製(旧NECエレクトロにクス)のNE3517S03 2段構成です。 このデバイスは20GHzでNF0.7dB、利得13.5dBと高性能です。 実際に基板に実装すると、基板の損失や不整合点における損失、 バイアスラインによる漏れ損失等が加わりデバイス単体のNFより劣化しますので、 LNAではこの各種損失をいかに少なくするかが重要です。 導波管型では、コネクタの損失、カップリングコンデンサの損失が無いので 同軸型に比較して0.1dB〜0.15dB程度NFを改善できます。 KUNHE製LNAのNF標準値は1.5dBなのでこの値を目標として製作しました、
測定したNF値は、入力の同軸導波管変換器の損失を含んだ状態で1.3dBと かなり良い値でした。 測定に使用した同軸ー導波管変換器は自作のものなので 0.2dB程損失があります、ノイズソースのENR誤差を0.2dB程度と考えても
1.3dBの実力がありそうです。 予想に反して良すぎるので校正をやり直して何度も測定しましたが、 ほぼ同じ値を示しました。
24GHz以外に10GHz用の導波管入力型LNAを製作しEME局に使用してもらいましたところ 3mパラボラでサンノイズ14dBとこちらもかなり良い値でした。 10GHzでは三菱のMGF4961Bを使っておりまして、データシート上では NE3517S03とほぼ同じ性能のデバイスです。
最近は少しNFにはまり込み気味で33GHz〜50GHzのノイズソースも 入手しましたので47GHzのLNAにも挑戦してみようかと考えております。
増田 幸雄
札幌市厚別区
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