EME用24GHz 30W出力TRV報告 JA8CMY
昨年から製作しておりました24GHzのTRVが、半年がかりでやっと完成、 40W出力には到達しませんでしたが、当初目標の出力30Wはクリアできました。 軽量化から小型放熱器を使用しましたので放熱対策不足が生じ、 電源投入直後は38Wの出力が少しの時間で32〜33Wまで低下します。
最初は18GHzまでのATT(HP8498A)を使ってSGとPOW計でLOSSを測定し 電力を測定しておりましたが、ATTや変換コネクタのVSWRが悪いせいか、
同軸導波管変換器に接続すると1.5dB程度損失が少なく表示されることがわかりました。 この1.5dBの差は大きく、40Wを軽くクリアーするのではと一時は期待したのですが、 その後違うことが判明しがっかりでした。 24GHzでの大電力用ATTがないので、インピーダンス特性が良好な長いセミリジットを ATT代わりに使用し正確なPOW測定が可能になりました。
DRV電力の不足を補うためにDRV段の後4分配していたものを、DRV段を分割し、
2分配後にDRV増幅しその後2分配に変更しました。
種々の改造の結果2合成で11W、4合成で19W、8合成で35W程度とまあまあの結果でした。
使用したTGA4915−CPは26GHz〜31GHz用で24GHzではあまり効率は良くありません ドレン電圧を6.7Vまで上げ電流も7.5A程度流れております。
定格では電圧6V最大出力時の電流は7.1Aなのでかなり無理をした使い方になりました、
短時間のCW運用なので大丈夫だろうと思っております。 POWアンプ部の消費電流が64A程度とかなりな大食いです。
24Gでの大電力増幅ではアンプケースが大きくなるため共振による発振が起きやすく、
安定に増幅させるのに苦労させられました。
もうひとつ危惧していた問題で、 合成アンプを一体型で作る場合には電気長がある程度揃うのですが、 ケーブル接続する場合には電気長の誤差が大きくなって合成損失が増大し、 思うように電力が加算されない問題が発生しました。 今回は可変位相器を挿入し位相を調整することで解決しました。
増田 幸雄
札幌市
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