20XX年のアマチュア無線(マイクロウェーブ前編) これはフィクションです

20XX年に,日本国自体が構造的に大変化を経て,国際的にも,地域的にも社会的貢献のない団体・企業は消滅していった。アマチュア無線の団体も20XX年に解散して,その後アマチュア無線NPOとして社会とのかかわりを持った団体として活動している。

政府の「ものづくりの奨励」策によりアマチュアNPOは他の天体観測NPO,ラジコンNPO,バソコンNPOや各種NPOなどと共に,いろいろなプログラムの中から,子供たちにものづくりや科学的なものを教える課外授業を支援している。その結果,科学に関する興味を持つ子供が増えてきて,関係学校や企業に進む若者が急増した。その間にはアマチュア無線の人口も急増した。

以前は営利目的で開発の名を借りた自然破壊の結果,地球的,地域的な災害もあったが,同様に周波数という有限の財産も,目先のグローバルな経済的開発により混乱の後,国際的,地域的な特性を重視したNPF Non-Profit Frequency (非営利周波数)が決められた。
またアマチュアNPOは経済的にも活動状況が公開されて,NPOの役員は電子投票で決められ,任期中の実績も公開され,インターネットでNPO会員は情報をいつでも見る事が出来る。

またほぼ世界的ネットワークは完成されているので,地域的な非常時のネットワークにアマチュアNPOが参加して,隙間をカバーしている。
これらのいろいろな社会貢献の結果,アマチュアNPOに国も企業もアマチュアNPOを支援している。
実働アマチュアのほとんどが会員で,会員数は100万人以上におよび,会費は低額で,しかもNPO会員として継続するには,地区のアマチュアNPOの認定が必要。本来のアマチュア無線家はNPO会員として継続されたが,そうでない非NPO会員は非社会的に見られた。

20XX年に日本型のアマチュア無線包括免許制度が導入されて,送信出力2W以下の送信機の製作が
自由になり特に自作を主とするマイクロウェーブ帯が活発になった。
日本型包括免許制度の概要は以下の通りです。
(1) 試験はアマチュアNPOの立会いで,簡単な試験とオリエンテーションで費用も低額になった。
(2) 新規の局免許は全てNPO登録機種,技適機種のみとする。
(3) 初回の変更申請にNPO登録機種,技適機種に付加装置を取り付ける。
(4) 以後は送信出力2W以下の指定事項の変更がない送信設備の追加や増設は変更申請を要しない。
(5) 変更申請のあった現用の付加装置系統図などを保存し,変更した送信設備でのアマチュア業務の自己責任が義務づけられた。

この時代ではインターネット申請が当たり前で,24時間申請と同時に自動応答で電子認証される。
初回の変更申請を終えた局は,自由に無線機器の製作を試す事ができる。
電子部品も安価で高性能のチップがアマチュアには少量サンプル価格で入手できる。
企業もアマチュアにパーツを供給する事は社会貢献と考えている。
少しの知識があれば昔のPCのように組み立てる事が出来る。
アマチュア無線はものづくりの実験場として活気づいている。          後編に続く